Ryosuke IMAI | yoma_k

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Amazon Prime で聴く少し変わったジャズ

Posted at — Jan 29, 2017
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Amazon Prime 会員になると、”100万曲以上の楽曲”が聴き放題になります。 もちろん年会費はかかりますが、聴きたい音楽が聴き放題になるとしたら、お得なシステムだと感じています。

Prime 特典で無料で聴ける曲はAmazonが指定するので、どんな曲でも聴き放題になるわけではありません。 どういう基準で指定しているのかはわかりませんが、中には面白いものも含まれているので、今日は3つ紹介したいと思います。

プライム会員で無い方も、Amazonサイトで試聴ができると思いますので、是非聴いてみてください。

(CD ジャケット画像から商品ページにジャンプできます)

“Merci Toots” / Yvonnick Prené (2015)

Personnel:

Yvonnick Prené はパリ生まれのハーモニカ奏者で、このアルバムは全編にわたってギタリスト Pasquale Grasso とのデュオ形式です。 演目は bebop 期のジャズスタンダードが中心で、特筆すべきは harmonica で厳格な bebop のスタイルを貫いている点です。 また、Pasquale Grasso の存在は大きく伴奏だけでなく、アドリブや時にはテーマを演奏しながらしっかり和声を提示していて、音数の少ないデュオでありながら、全体としてバランスが良く聴きやすい演奏になっていると思います。

横道に逸れますが、 Pasquale Grasso の凄さはこの動画でも伝わると思います。 Bud Powell がそのままギターになってしまったような演奏です。(楽曲も Bud Powell 作の Oblivion)

YouTube には、Yvonnick Prené 自身の手によって “It could happen to you” を演奏している動画がアップロードされています。


“Hip Harp” / Dorothy Ashby (1958)

Personnel:

Dorothy Ashby は世にも珍しいジャズハープ奏者です。 『ハープで bebop って演奏できたんだ!』と気づかせてくれます。 (少し説明するとハープは足もとのペダルで弦のスケールを変更する仕組みになっています。 bebop では転調が多く半音階を使用するフレーズが多いので、ハープには不向きに思えるのです。) ハープとフルートの音色がクラシックを連想させ優雅でありつつも、泥臭いブルージーな要素もあり、混血的な面白さを感じるアルバムです。

“Platina Jazz - Anime Standards vol. 1” / Rasmus Faber (2009)

一部の大学ジャズ研界隈ではド定番の一枚。 Rasmus Faber は超かっこいいハウス・ミュージックを作るスウェーデンのミュージシャン・DJでありながら、”アニメオタク”を極度まで拗らせた結果、日本のアニメソング達をジャズアレンジして作ってしまったのがこのアルバム。 特質すべきは安易なジャズアレンジに留まることなく、ポップな聞きやすさと北欧ジャズの旨味をバランス良く含んでいる上質な音楽に仕上げてしまったことです。

最近では、テレビCMでも使用されて話題になりました。

プライム特典には vol.1 だけでなく、続編(vol. 5まで)も含まれているようです。要チェック。